ABOUT SMC PROJECT

ABOUT SMC PROJECT

日本の精密加工技術を結集して最小クラスでのオートバイ世界最速記録を目指す!
それがスーパーミニマムチャレンジプロジェクトです
50cc&125ccという最小クラスバイクの性能の限界に挑むために日本トップの精密加工業者が結集。
その持てる技術の全てを惜しみなく投入しています。

SMCプロジェクトとは

スーパーミニマムチャレンジ(SMC)、それはプロジェクトリーダーの映画監督、近兼拓史が長年抱いていた夢からスタートしました。

世界的に有名な、堀江謙一氏の小さな一人乗りヨットによる太平洋横断などの海洋冒険。用意するのは厳選した最低限の装備だけ。あとは自分の全知全能を使って困難を乗り切る。そんな堀江氏の姿に、青年期の近兼は大いに憧れ感銘を受けていました。しかし近兼の進んだ分野は海のヨットではなく、真逆の分野。陸のオートバイでした。そのため堀江氏と同じ歩みをたどることはできませんでした。

オートバイでできる最小の挑戦とは何だろう?小型一人乗りヨットを、一番小さな原付きバイクに置き換え、その小さなエンジンの性能と操る人間の能力の限界にチャレンジすることができないか…。そんな近兼の想いがSMCの原点でした。

最初のチャレンジは1993年のオーストラリアンサファリでした。カワサキKSR50という50ccバイクをベースに、世界最小のラリーマシンに仕上げます。挑んだのは太平洋ならぬ砂の海、ビクトリア砂漠でした。オーストラリアの大自然の前に小さなマシンは2日目で息絶えます。しかし、その小さなチャレンジャーが大きな冒険に挑んだ姿は、世界中のメディアに大きく取り上げられ「小さくても高性能。これぞメイド・イン・ジャパン!」と絶賛されました。彼はSMCの意義と意味に確信を持ちます。

近兼が次に狙いを定めた挑戦はアメリカ・ボンネビルでの最高速度チャレンジでした。スピードの聖地で、最小カテゴリー50ccエンジンの限界に挑む。1年の準備期間をかけ、スポンサーも獲得し、マシンの準備も順調に進んでいました。

しかし1995年1月17日阪神淡路大震災が発生。神戸出身の近兼は、自宅、事務所、実家を全壊で失います。東京のスポンサー企業は、「皆に元気を与えられるハズ」と背中を押してくれましたが、彼は出場を取りやめます。

「変わり果てた故郷の姿を前にしながら、自分だけやりたいことをやらせてもらう気になれなかった」のだそうです。

完全に潰えたように思えたSMCに再び小さな火が灯ったのは、20年後に彼が監督した1本の映画がきっかけでした。

日本の金属精密加工業界の姿を描いた映画「切子の詩」は各地で絶賛を受けました。その撮影中、日本屈指の技術を持つ様々な人々や企業と出会います。髪の毛に文字すら彫れる日進工具のマイクロエッジ。ミクロン単位の工作精度を20年以上保てる安田工業のマシニングセンタ。0.02mmの公差でチタン材を極薄鼓型に削り出すヒューテックの藤原社長の凄ワザ!これらを目の辺りにした時、近兼に忘れていたミニマムチャレンジへの想いが蘇りました。

「今の日本の精密加工技術を集めれば、世界最小クラスで世界最速記録が達成できる!メイド・イン・ジャパンの素晴らしさを世界に示すことができる!」それは確信とも言える感覚でした。

最初に手を上げてくれたのは、日進工具の後藤社長でした。「最小クラスでの世界一」という目標が、同社の得意とする小径加工用のエンドミルで世界一というイメージとピッタリマッチしたからです。

SMCの企画旗揚げとともに、日本中の精密加工業界の雄30社以上が集まりました。通常世界最速記録に挑むなら、最新鋭のレーシングエンジンを使用するのが最適なはずです。

しかし、SMCがベースエンジンに選んだのは、スーパーカブでおなじみのホンダ横型エンジンでした。50年以上にわたって累計1億台以上が販売され、世界中の誰もが知る日本の工業製品スーパーカブ。実用車として耐久性は折り紙付きのエンジンですが、スピードを求めるには基本設計も古く、最も不利なエンジンの一つです。しかし私達は、あえてこの日本を代表する工業製品でBMSTに挑むことにしました。

私達は、国内精密加工技術の粋を結集し、このエンジンをベースに、最も技術的に難しい極小排気量エンジンの過給器化に挑戦し続けています。腕時計のクロノグラフにも例えられる、4ストローク50ccエンジンのスーパーチャージャー化。4ストローク125ccエンジンのターボ化。

私達は2019年BMSTにおいて、世界の多くの技術者が100年以上挑み超えられなかった4ストローク50ccエンジン+スーパーチャージャーで、1マイル平均速度100km/h壁を超えることができました。そして、レコードホルダーとして更なる前人未到の速度域に挑んでいます。

日本の精密加工技術を結集し世界を驚かせる。最も小さなクラスで、不可能の壁を超えていく。それがスーパーミニマムチャレンジです。

Bonneville Motorcycle Speed Trials とは

BMSTは、米国ユタ州のボンネビル・ソルトフラッツで毎年8月に開催される100年以上の歴史を持つ、AMA(全米モーターサイクル協会)、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)公認の世界最高峰の最高速度認定競技会です。競技は、エンジンの種類や排気量、燃料の種類など数十種類のカテゴリ分けがなされており、50ccのオートバイからロケットカーまで、世界最高速度新記録の称号を得るために、毎年世界各国から約200チームもの挑戦者が集まってきます。
レーストラックは、標高1,282mという高地で、空気中の酸素濃度が薄く、夏季には気温40度を超える高温になります。この苛烈な環境で達成した記録こそ、真の世界最高速度記録と讃えられています。

SUPER MINIMUM CHALLENGE プロジェクトをサポートしていただける方を募集しています。
個人・企業・団体等を問いません。ぜひお問い合わせください!

プロジェクトリーダーメッセージ

はじめまして、SMCプロジェクトリーダーの近兼拓史です。世界に誇る日本の精密微細金属加工技術。その圧倒的技術と品質を目の辺りにしたとき「この技術があれば世界最小最精密クラスで、世界最速のマシンが作れるに違いない!」そう思ってスタートしたのがSMCプロジェクトでした。
おかげさまで2019年のBMSTで6つの世界最速記録を達成することができました。しかし、日本のモノづくり技術のレベルを考えると、まだまだ記録は伸びるはずと思っています。
精密微細金属加工技術は、国の産業発展を支える大切な根本技術です。このプロジェクトを通して、日本のモノづくり技術の素晴らしさと、モノづくりの楽しさが、より多くの人々に伝われば嬉しく思っています。
メイドインジャパンの誇りをかけて、私達は挑戦し続けます!

SMCプロジェクトリーダー&パイロット 近兼拓史

プロジェクトスケジュール

2018/08

2018BMST出場

最初のランドスピードレーサーNSX-01 を製作。125ccセミストリームライナークラスに出場。連続完走25回のBMST新記録を達成!

2019/08

2019BMST出場

究極の超低車高ランドスピードレーサーNSX-02 NSX-51の2台を製作。125cc+過給器クラス、50cc+過給器クラスに出場。
両車ともFIM AMAの世界最速記録を達成。(FIMでは1マイル、1キロ、両距離で世界最速記録達成)計6つの世界最速記録を達成!

2020/08

2020BMST出場予定

昨年のNSX-02 NSX-51を更にパワーアップ&軽量化したNSX-03 NSX-52で出場予定。更なる記録更新を目指している。

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